備考 「スルト」という名前はアイスランドでは昔から人名に使われる。最初は別名として使われていたが、次第に本名としても使われ、11世紀、キリスト教が導入されてからは一般的な男性名になっていった[4]。 アイスランド語では褐炭を「スルトの燃え木(Surtar-brandr)」という。また、火山爆発で生成された長さ1.5km以上ある洞窟は「スルトの洞窟(Surtshellir)」と呼ばれ、スルトの住処だと考えられていた。 投資信託 1963年にアイスランド南西海域において海底火山の噴火活動により生まれた火山島(無人島)は、アイスランド語で「スルトの島」を意味する「スルツェイ(Surtsey)」と名付けられた。 木星の衛星「イオ」の北半球にある火山の一つには「スルト」(Surt)、および、土星の衛星のうち「北欧群」と呼ばれる天体群の中の、2006年にすばる望遠鏡が発見した衛星の一つには「スルト」(Surtur)という名がつけられている。 ムスペル[1](Muspell。ムースペッル[2]、ムスペッル[3]、ムースペル[4]、ムスッペル[5]とも)は、北欧神話に登場する、おそらくは巨人の一族である。 南にある火の国「ムスペル」に住んでいるとされる[6]。 目次 [非表示] 1 概要 1.1 地名としてのムスペル 2 「muspell」の正体 3 註 4 参考文献 5 関連項目 資産運用 [編集] 概要 ムスペルは南方にあるとされる火の国に住むと考えられているためか、しばしば「炎の巨人」といわれている。 彼らはラグナロクにおいて神々との戦いの場に現れるものの、それ以前には神々や人間たちの前に登場することはない。 『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』第43章では、最も巨大な船「ナグルファル」を持っているのがムスペルだと説明されている。 しかし同51章において、高潮の中に浮かび上がったナグルファルにムスペルが乗っているとはいわれていない。 「ムスペルの子ら」と呼ばれる軍勢は天を裂いて現れ、前後を炎に包まれたスルトを先頭にし、馬を駆って虹の橋ビフレストを渡り、そのため橋が崩壊してしまうというのである。 また『古エッダ』の『ロキの口論』第42節では、ムスペルは神々の国とムスペルの住む「南」の火の国とを隔てる暗い森・ミュルクヴィズをくぐってやって来るとされ、またスルト同様にフレイと戦うとされている。 しかし同じ『古エッダ』の『巫女の予言』では、ムスペルは「1艘の大きな船」[7]に乗って「東」の方から現れるとされている。 その船の舵はロキがとっている。 この来襲してくる方角が文献によって南であったり東であったりすること、そしてムスペルの正体自体がよくわからないことから、現在でもさまざまな見解が出されている。(後述) 『たぶらかし』第51章において、ヴィーグリーズに進軍したムスペルの子らは独自の陣形をとり、それが目が眩むほどのものであると描写されている。 この『たぶらかし』において「ムスペルの子ら」が炎の巨人スルトとともに進軍してくるとされているのは、『巫女の予言』とまったく異なる内容であるが、シーグルズル・ノルダルは、スノッリがムスペルとは誰であるかを知らず[8]、前述の『ロキの口論』の内容を証拠として結論づけたと考えている[9]。 外国為替証拠金取引 [編集] 地名としてのムスペル 『たぶらかし』第4章・5章においては、ムスペルは地名として使用されている。 そこは火焔が燃え上がる熱く明るい地域であって、その国で生まれた者しか近づくことができず、国境ではスルトが警護にあたっていると説明される。 ただし第5章では、おそらく同一の場所をさすムスペルスヘイム[10](ムースペッルスヘイム[11]とも)という名も挙げられている。 [編集] 「muspell」の正体 「ムスペル」(muspell)の語の意味は不明である。 何人かの学者が、古ザクセン(サクソン)語で書かれた詩『ヘーリアント』に登場する「 mudspelle 」(ムーツペッレ)、「 mutspelli 」(ムーツペッリ)との関連を指摘している[8][12]。 古ノルド語からは「ムスペル」の語源を説明できないため、これは古ザクセン語から借りたものだという説もある[13]。 また、9世紀のバイエルン方言の詩『ムースピリ』にも、題名となった「 Muspilli 」という語が登場する[12][14]。 これら「 mudspelle 」、「 mutspelli 」、「 Muspilli 」はいずれも、語源ははっきりしないものの、人間を襲う破滅を表現している。 『ヘーリアント』には「ムーツペッルの軍勢が人間に襲いかかる」とあり、『巫女の予言』での「ムスペルの軍勢が海を渡ってくる」、『ロキの口論』での「ムスペルの子らが森をくぐってやって来たら」という表現とは類似性がある[15]。 しかし『ヘーリアント』においても『ムースピリ』においても、その単語は火と結びつくものではない[16]。 『ムースピリ』の第50 - 54節では世界の炎上する様子が描かれているが、炎上はムースピリが来る前の、エリヤの血が地上に滴ったことで始まるとされている(ムースピリを参照)。 それに続く第57節に「ムースピリの面前では身内を助けられない」とあり、ムースピリとは裁きの日にやって来る、おそらくはキリストのことであろうと考えられる[13]。 FX アクセル・オルリックは、ムスペルの軍勢について確実に言えるのは彼らが神々の敵対者であることであり、彼らはラグナロクにおける破壊の力を擬人化したものだと主張する[16]。 またオルリックは、世界を滅ぼす勢力とムスペルとの関係を考察する。その勢力は、時にムスペルの「軍勢(lydir)」とされ、ムスペルの「子ら(synir)」ともされる。 さらに「Muspellz megir」という表現もあり、スノッリはこれを「子ら(synir)」と交互に用いる。 オルリックは『ロキの口論』第42節に登場するムスペルの「子ら(synir)」という表現が、本来は「megir」ではなかったかと推定している[17]。 ノルダルはさらに、「megir」が『ヘーリアント』第2591節に出てくる「ムーツペッレの力」(Mudspelles megin)という語の誤解から生じた表現ではないかと推測する[8]。 ノルダルは、この「ムスペル」という語が北欧に入ってきた時、北欧の人々が、ラグナロクの日に襲ってくる巨人軍団の父としてムスペルを理解していただろう、と考えている。 ただしムスペルの名は現存する他の詩には登場しない。 ムスペルの観念は一般の人々に共有されるものではなかった ミュルクヴィズ(Myrkvidr)は、北欧神話に登場する森の名前である。 古ノルド語でこの単語は「黒い森」(暗い・木)を意味する。 ウィリアム・モリスとJ・R・R・トールキンは、その架空の作品内に、「mirkwood」というふうに英語化した名前を登場させている。(「 mirk 」は、英単語「 dark 」の古語形あるいは方言の語形である。英語版ウィクショナリー murkyを参照されたい) ゲルマン語派やスラヴ語派における「黒い森」(dark wood)という表現は、「針葉樹の森」(en:coniferous forest)を意味するようにイディオム化されている。(それと対照的に「光の森」(輝く・木)(light wood)が「落葉樹(en:deciduous)の森」を意味している。) なお、ドイツの地名「シュヴァルツヴァルト(Schwarzwald)」(「黒い森」の意)や、ロシア語の「 chyornyi les 」と比較されたい。 FX [編集] 『古エッダ』に現れる「ミュルクヴィズ」 「ミュルクヴィズ」の名は『古エッダ』に以下のように現れる。 1) 一例として『ヴェルンドの歌』(en:Volundarkvida)第1節に、スカンディナヴィアのどこかに位置する、場所のはっきりしない地名として登場する。 (原文) Meyjar flugu sunnan myrkvid i gognum, Alvitr unga, orlog drygja; tar a savarstrond settusk at hvilask drosir sudranar, dyrt lin spunnu.[1] 大意: 乙女達が南から暗い森へ飛んできて、 池のほとりで休み、亜麻を紡いだ。 (この節の前の序文で、乙女達が白鳥の羽衣をまとって飛ぶワルキューレであることが説明されている) (原文は英語版 en:Myrkvidr 2007-07-12 18:09 UTC の版より。) 2) 『ロキの口論』第42節においては、ラグナロクの時、「ムスペルの子」がその森を通ってくると述べられている。場所はアースガルズとムスペルヘイムの間とされている。 (原文) Loci qvat: ≪Gvlli keypta leztv Gymis dottvr oc seldir titt sva svert; enn er Mvspellz synir rida Myrcvit yfir, veizta tv ta, vesall! hve tv vegr.≫[2] 大意: ロキがフレイを詰る。 剣を失なってしまい、 ミュルクヴィズを越えてくる ムスペルの子たちと どうやって戦うのか、と。 くりっく365 (原文は英語版 en:Myrkvidr 2007-07-12 18:09 UTC の版より。) 3) 『フンディング殺しのヘルギの歌 I』第51節に「ミュルクヴィズ」が登場する。 4) 『フン戦争の歌 またはフレズの歌』第9節では、フレズが「素晴らしい森」だとして「ミュルクヴィズ」を形容する。 5) 『グリーンランドのアトリの歌』には、第5節に「ミュルクヴィズ」の名が見える他、「暗い家」を意味する「ミュルクヘイム」(第42節)も登場する。 [編集] 『サガ』に現れる「ミュルクヴィズ」 北欧の『ヘルヴォルとヘイズレク王のサガ』においては、ゴート族とフン族を分割するマエオティアン沼沢地(en:Maeotian marshes)のこととされている。