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しかし1970年代までの間に一般旅客が格安運賃で航空機を使って国内外を移動する手段は、イギリスのモナーク航空やレイカー航空、アメリカのデンバー・ポーツ・オブ・コール航空などのチャーター航空会社が運航する、わずかにIATAによって認められていた「アフィニティ・チャーター(旅行クラブの会員など、なんらかの関連性があるメンバーのみで乗客が構成された団体ツアー向けチャーター便)」などの特殊かつ限られた手段に限られており、パンアメリカン航空や英国海外航空、サベナ航空やルフトハンザ・ドイツ航空などの大手航空会社は、「IATAカルテル」によって守られた割高な国際線の運賃体系と無競争状態、そして政府からの援助の下で高い収益を誇り、それを元にして現在から見れば「放漫経営」といっても過言ではない経営状況を続けていた[1]。座席供給過多 。ユナイテッド航空のボーイング747型機(手前)とパンアメリカン航空のボーイング707型機しかし、1970年代に入り世界各国の大手航空会社が、パンアメリカン航空のトリップ会長の肝いりで開発され、その後パンアメリカン航空や日本航空、KLMオランダ航空やユナイテッド航空などが競って導入したボーイング747型機や、マクドネル・ダグラスDC-10型機、ロッキードL1011・トライスター型機などの、これまでの国際線や国内幹線における主流機材であったボーイング707型機やダグラスDC-8型機、コンベア880型機などの倍から3倍程度(100-200席に対して300-450席)の座席数を持つワイドボディの大型機を相次いで就航させたため、これらの大型機の就航がひと段落した早くも1970年代半ばには多くのくりっく365 において座席数の供給過多が深刻化した[2]上に、矢継ぎ早の大型機の導入による設備投資が経営を圧迫させた。その上に、1973年10月に中東において発生した第四次中東戦争や、これを受けて同月に起きたオイルショック、さらに1978年末のイラン革命を受けて起こった第二次オイルショックを受けて世界的な長期不況に陥り旅客数が減少し[3]、急激に収益が悪化してしまうことになる。その結果、多くの大手航空会社は空席を埋めるために、これまで自らの身を守り続けてきた「IATAカルテル」の範囲を大きく離脱しない範囲で、自主的に割引運賃を導入せざるを得なくなった。 「格安航空会社」の発生 。 エア・フロリダのボーイング737型機ピープル・エキスプレス航空のボーイング747型機その様な中で、フレデリック・レイカーによる会社設立以降、長年の間アフィニティ・チャーター便を運航していたレイカー航空が、これまでの「企業本位」ともいえる不自然な状況を打破すべく、既存の大手航空会社の割引運賃を大幅に下回る格安な運賃を武器に、「スカイトレイン」のブランド名で1977年にロンドン(ガトウィック)-ニューヨーク(ニューアーク)線などの大西洋横断路線に参入した。レイカー航空は、瞬く間に格安運賃を求める多くの利用者(その多くは大学生などの若者のバックパッカーを中心とした個人客であった)から支持を受けて、イベリア航空やアリタリア航空、サベナ・ベルギー航空などの、「IATAカルテル」の恩恵を受けて割高な国際航空運賃を維持していた既存の大手航空会社を押しのけ、1981年には大西洋横断路線において6位のシェアを獲得するに至った[4]。またCFD のアメリカでも、1978年にジミー・カーター政権によって施行された航空規制緩和(ディレギュレーション。新規航空会社の設立や路線開設が事実上自由化された)の影響を受けて、1981年にドナルド・バーによって設立され、同じく既存の大手航空会社の割引運賃を大幅に上回る格安な運賃を武器に大西洋横断路線やアメリカ国内線に就航したアメリカのピープル・エキスプレス航空や、それに先立つ1971年に設立され、航空規制緩和を受けて急速にその規模を拡大していたエア・フロリダが、格安航空会社のはしりとして脚光を浴びた。しかしその後間もなく、こうした大西洋横断路線を主軸にしていた格安航空会社は、パンアメリカン航空やトランスワールド航空、ブリティッシュ・エアウェイズなどの大西洋横断路線を主要な収益源の1つとして運航していた既存の大手航空会社やIATAの意を汲んだイギリス、アメリカ両国政府の強い圧力(と妨害)、航空事故などを受け倒産してしまった[5]。なお、レイカー航空の倒産は、同じイギリスのリチャード・ブランソンによるヴァージンアトランティック航空設立に大きな影響を与えることとなった[6]。「カルテル」の崩壊 。

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